ハム流育成法。どうやって
高卒選手を不動のレギュラーにするのか?

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Koike Yoshihiro

── 数年後、野村選手は中田選手の後継者になれますか。

「現時点では何とも言えませんが、(中田)翔はとにかくすごかったです。二軍とはいえ、1年目から11本塁打。2年目にはイースタンリーグ記録となる30本塁打を打ちました。ほかの選手と振る力が違いすぎて、比べ物になりませんでした。

 野村にしても、クリーンアップを打つ素質は絶対にあると思います。身長も187センチと大きいですし、試合に出ながら成長していけるはずです。まだ体はできあがっていないですし、芯がしっかりしていないところもあるので、これからですね」

── プロ3年目を迎えた清宮選手はどうですか。

「まだまだこれからというのは、清宮も同じです。いいものは持っているけど、芯がしっかりしていない。まだふにゃふにゃで柔らかすぎるというか......ヤクルトの村上(宗隆)と比べると、キレが全然違いますよね」

── 今季、清宮選手は代打での出場も多いです。起用法はどうするのがいいと思いますか。

「今より上のランクに行くためには、試合で使い続けるほうがいい。経験は絶対に必要ですから。ファイターズのトップ選手にさせるまで、首脳陣がどれくらい我慢できるのか。使って外して、使って外してでは、成長のスピードが遅くなると思いますね」

── スタメンで使って、翌日はベンチスタートという起用法なら、二軍で使い続けたほうがいいと。

「一軍の控えで、たまに試合に出るのだったら、試合勘や体力を身につけさせるためにも二軍で使ったほうがいいと思います。たとえば、二軍の試合に1カ月全部出るとか。一軍でレギュラーになれないのはそういう要因もあるわけで、そこは実戦経験を積めば鍛えられると思います。

 清宮をトータル的に見た時、期待されたバッティングでそこまで結果が出ていません。打つことだけを考えたら、首脳陣は外国人の大砲みたいな結果を求めてしまう部分があるのかもしれません。でも、まだ高卒3年目です。打つこととともに守ることも成長させて将来のレギュラーにしようとするなら、ある程度は目をつぶって起用し続けることもありだと思います」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る