山田久志の「令和のサブマリン論」。アンダースローこそ本格派であれ! (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Koike Yoshihiro

── 高橋礼投手は最速146キロをマークしたように、本格派のイメージがあります。

「(高橋)礼にはいろいろとアドバイスしていますが、まだまだ速くなりますよ。まだアンダーハンドの本当の形ができあがっていない。逆に言えば、それであけだけのボールが投げられるのはすごいことだし、才能を感じます。しかも身長が188センチあって、リーチも長い。それだけで大きなアドバンテージです」

── 本当の形ができあがっていないというのは?

「礼は体と手が同時に倒れるというか、すぐ下に潜り込ませたがるんです。そうではなくて、速い球を投げようと思えば、もっと反動を使わなくてはいけない。反動をつけるためには、腹筋、背筋をもっと鍛えないといけません。あとは膝の力を強くするようにとアドバイスしました」

── 與座投手についてはどうですか。

「これまでのピッチングを見る限り、まだ技巧派ですね。どちらかというと、打者とのタイミングを外すことに重点を置いたピッチングになっているように思います。たしかに、変化球のキレもいいですし、緩急の使い方もうまい。あの変化球があれば、あとストレートが2、3キロ速くなるだけで、もっとピッチングの幅が広がります。140キロは難しいとしても、130キロ台中盤を投げられたら十分です。まずはそこを目指してほしいですね」

── 近年、マウンドの硬い球場が増えています。それによる影響はありますか。

「いろんなタイプがいると思うんですけど、私は硬いマウンドのほうが好きでした。踏み出し足を着地させる際、その反動を使って投げていたので、しっかりスパイクで噛めるほうが強いボールがいきました。マウンドが柔らかいと着地のときに緩んでしまって、勢いのあるボールが投げられない。それにマウンドが掘れてしまうと、だんだん体も沈んでいくので疲れがたまりやすいんです。だから本拠地の西宮球場も、私が投げる時は硬くしてもらっていました(笑)」

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