2020.07.05

明暗くっきり。巨人パーラと阪神ボーアの
決定的な違いを名コーチが指摘

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Koike Yoshihiro

 そもそもボーアは、キャンプの時から力任せのバッティングだった。練習試合で3試合連続ホームランを放つなど脚光を浴びたが、あれが結果的に油断を与えたように思えてしまう。

 日本では、オープン戦、練習試合で新外国人選手と対戦する場合、確認のために打者の好きなコース、打ちそうなコースにあえて投げて、その反応を見ることがある。

 相手バッテリーは「あそこの球は危険だ」「この球速だとしっかりとらえてくる」といったように、冷静にチェックしているわけだ。つまり、サンプルデータを集めて、それを公式戦で生かす。言うなれば、あの3本は打たされたホームランだったわけだ。

 だがボーアは、それで気をよくしてしまい、日本人バッテリーの配球を研究してこなかったのではないか。開幕からのボーアのバッティングを見ていると、引っ張る意識が高すぎて、外のボールはまったく見えていなかった。

 フォームそのものは、まったく問題ないと思っている。ただ、打席での意識づけが少し足りない気がする。ボーアのバッティングを見る限り、意図した球を打ち損じているのではなく、打ちたいボールを投げてもらえずに焦れている感じだ。

 とくに気になるのは、やはり対左投手だ。聞くところによると、メジャーでも左投手に苦労していたそうだ。そうした選手をよく獲得したなと思うが、ボーアのようなタイプは左投手のクロスファイヤーとなる外角のストレートや外に逃げていくスライダーは最も苦手とするところ。