「西武ニールは使えない...」。
屈辱の二軍降格からなぜ11連勝できたか

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Koike Yoshihiro

 許は2000年から2013年までNPB(西武で12年、オリックスで2年)でプレー。その後、地元・台湾のプロ野球に戻り、2016年まで現役を続けた。引退後、2017年は中信兄弟のコーチを務め、2018年から西武の二軍投手コーチを務めている。

 二軍にいた時、ニールはいろいろなコーチにアドバイスを求めた。そのなかのひとりに許がおり、多くのことを学んだ。

「いろいろなコーチに『どうして長く現役を続けることができたのですか?』や『成功の秘訣は何だったのですか?』と聞いて回りました。気づいたのは、ルーティンの確立と日本流のピッチングを覚えることでした。私は、おもにシンカーとチェンジアップで勝負するピッチャーなのですが、現役時代に同じスタイルだったコーチがいたんです。それが許でした。

 日本という異国の地で、これだけ長く生き残れた理由は何だったのか、そのノウハウを教えてもらいました。そして許からカットボールを教えてもらいました。一軍に再昇格してから、カットボールは大きな武器になりました」

 6月20日、再び一軍昇格を果たしたニールは中日戦のマウンドに立った。5回を1失点で抑え、4月2日以来となる2勝目を挙げた。ここから連勝が始まるわけだが、この日のピッチングはニールを象徴するものだった。

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