西武は先発陣をどうするか。甲子園優勝コンビと「第6の男」がカギ (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo


 発展途上にあるのは、今井も同様だ。昨季は7勝9敗、防御率4.32。プロ野球投手としては細身の身体をしなやかに使い、好調時は最速155km/hを記録するなど、球界トップレベルの速球を投げていた。

 しかし、投球フォームの再現性が十分でなく、試合中盤になると身体が横ぶりになり、シュート回転する悪癖が何度も顔をのぞかせた。

 今季のオープン戦ではメカニクスを模索している段階で、予定どおりに開幕していれば先発ローテーションに入ったかはわからない。だが、今井のよさは自分で試行錯誤できることであり、コロナ禍で試合が開催されなかった時間をうまく使い、投球フォームを探し求めた。

 開幕前には同学年の山本由伸(オリックス)のように左腕を使って上半身の開きを抑えようとしていたのが、6月10日の楽天戦では以前のダルビッシュ有(シカゴ・カブス)のごとく、左腕でうまく上体を導きながら体重移動をスムーズに行ない、150km/h超の速球を投げ込んだ。

 今井の課題は継続力だけに評価はまだ控えるが、大ブレイクを期待したくなるような打者への立ち向かい方だった。

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