2020.06.04

八重樫幸雄も笑った真中監督の勘違い。
今永昇太より原樹理を選んだ理由

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

2009年から2016年までヤクルトのスカウトを務めた八重樫氏 photo by Hasegawa Shoichi2009年から2016年までヤクルトのスカウトを務めた八重樫氏 photo by Hasegawa Shoichi ――この年の東都リーグには駒大の今永昇太もいましたよね。彼はDeNAが1位指名しましたが、今永との比較はいかがですか?

八重樫 今永はいいピッチングをしていても、イニングが変わってちょっと打たれ始めると、修正が利かなくなる傾向がありました。いいピッチングをしているのに、ビックイニングを作られて大量失点してしまう。大学時代の彼にはそんなイメージがありましたね。ボール自体はいいけど、原樹理のほうがピンチでも粘り強く投げるタイプだったので、「原樹理のほうが完成度は上だ」と僕は思っていたし、チームとしての評価もそうだったと思いますよ。

――2位の廣岡大志は、期待の若手として今シーズンのさらなる飛躍が期待されています。彼については当時、ご覧になっていましたか?

八重樫 廣岡は映像で見ました。後で知ったけど、廣岡の指導者が、僕と一緒で中西太さんの理論を学んだ人なんだってね。だから練習方法も中西理論でしたよ。これはヤクルトに入ってから感じたことだけど、とにかく練習熱心。かつての稲葉(篤紀)がそうだったですね。今まで、稲葉だけですよ。「もう練習を辞めろ」とこちらから言ったのは。廣岡も同じタイプでしたね。

――今年はプロ5年目を迎えます。そろそろ廣岡選手も結果がほしいところですね。

八重樫 そうだよね、もう5年目ですから。ただ、彼の場合は一生懸命にやりすぎるんですよ。いろいろな指導をすべて受け止めてしまう。何でも取り入れようとして、ちょっと混乱しているように見えるんです。去年、キャンプのときに練習を見たら、入団のときと全然、バッティングフォームが変わっていました。それで、「昔のほうがいいフォームだったと思うけど......」って伝えたら元に戻したようで、次の日の練習試合でホームラン打ったんだよね。