甲子園に愛された黒川家。全国V経験者の父が語る3兄弟の違いと指導法 (3ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Koike Yoshihiro

 もちろん、3人それぞれ性格が違う。父は息子たちの性格についてこう分析する。

「長男(大雅)は周囲を見て、遠慮しながら前に進むタイプ。次男(史陽)は自分の目標に向かって突き進むタイプ。三男(怜遠)はどちらかというとマイペースですね」

 唯一共通するのは、小学校の時に所属したチームでキャプテンをやったことぐらいである。

「『これを絶対にやるな』とか、『これは必ずやれ』ということは一度もしていません。むしろ、『好きなようにやれ』と育ててきたつもりです。とくに技術に関しては、自分で興味を持たないとうまくならないですから。ただ、接していくなかで、『落ち込んでいるな』とか『気分が乗ってないな』とわかった時は早めに対処していました。私自身、原因が何なのかを探りたいタイプですので、そこはちゃんと話を聞くようにしていました」

 現在、3人の息子たちはそれぞれ離れて生活しているため、近況報告や情報交換はもっぱらLINEだ。黒川家には"黒川組"というグループLINEがあり、父の仕事が終わると3人それぞれが今日あったことを報告し、LINE内での会話が始まる。

 野球以外の他愛ない内容も多く、そこから子どもたちがいま何を考えているのか、ヒントを得ることもあるという。その一方で、野球の話になると互いにヒートアップ。自身が撮影した動画を父がチェックし、いろいろとアドバイスするなど、野球談義は延々と続く。

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