DeNA大家コーチが若手の問題点を指摘「失敗への考え方で成長は変わる」 (4ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Sankei Visual

 向き合い方を変えるのは簡単なことではないだろう。コーチとして、変わるために仕向けていくような方法はあるのだろうか。

「仕向けるってことはないですけど、気づいてほしいですし、いろんな資料を見せながら話はします。ただ、それでも変わらない人を変えていくテクニックは、僕にはありません。本人が変わろうと思った時が、その時だと思うので。

 じゃあ、変わるまで待つかといえば、待ってもしょうがないと思います。待てども変わらない時は、たぶん結果がいちばん効くんじゃないですかね。選手全員を助けられるということは、まずあり得ないと思います。この仕事をやっている以上、結果によっていろんなことが決まっていきますから」

 大家の言葉にハッとさせられる。ファームの現場で結果が出ない──その状態が続いた選手はどうなるのか、リアルに想像できたからだ。選手にとっては厳しい言葉かもしれないが、コーチの仕事は担当の選手全員を助けることではない。あくまで選手が自分自身で向上できるようにサポートするのが仕事なのだ。

「より精度が高い何かを求めていって、普通に、苦労せずに結果が出る人がいるならば、その人はたぶん僕と付き合ってないですね(笑)」

 選手へのサポートを、大家は「付き合う」と言い換えた。付き合ってもなかなか成長できずに目の前から消えていく選手がいれば、付き合うことで成長し、結果を出して一軍に昇格する選手もいる。

「それは両方あるでしょうね。そういう世界ですから......」

つづく

(=敬称略)

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