DeNA大家コーチが若手の問題点を指摘
「失敗への考え方で成長は変わる」

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Sankei Visual

 10分間の投球練習のあと、さらに10分プラスして投げたい場合。選手がその理由をコーチに説明する時に、前回の試合や前回の投球練習を振り返る内容が入っていれば、コーチとして納得できるとのことだった。

「たとえば、球数をたくさん投げたいというのなら、振り返ったうえでしっかりスケジュールを立てて、投球練習をひとつのゲームと同じものと仮定してやるのであれば、それはいいんじゃないかなと思います。でも、そこまでの選手はまだ出てきていません!(笑)」

 いずれにせよ、「振り返りなしに成長はない」と思えるが、振り返る時に表面的な言葉だけをツラツラと並べる選手もいるという。理解度が低いというよりは、「なぜできたのか」「なぜうまくできなかったのか」を探ろうとしていないのだ。

「言葉が表面的な選手は、行動も表面的なことが多くて、いつも反省が変わらないんですね。反省の仕方が一緒で、また同じ失敗をしてしまう。もちろん、野球は失敗のスポーツですから、『失敗ばかりを突いても......』とは思いますよ。3回のうち1回打った人がすごく高い給料をもらえるんですから(笑)。

 そういう意味では、野球において失敗を突いてもしょうがない。それは僕もわかっています。ただ、失敗に対しての向き合い方が変わってくれないと難しい......そういうところはありますよね」

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