2020.05.19

ヤクルトで「蛇直球」を投げた男。
ジェームズ・ボンドの曲で勝利を確信した

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Kyodo News

 その理由を問うと、こう続けた。

「日本のピッチャーはコントロールがすごくよく、そこは自分も自信があったし、スピードは自分のほうがあると思っていました。ただ、変化球はあまり自信がなかったので、それを日本で学べばうまくできるのではないかと思いましたね」

 韓国時代は、「だいたいストレートで勝負して、それで勝てていた」というイムだが、「日本ではそれでは通用しない」と思っていたという。そこで、来日直後のキャンプではスライダー、チェンジアップの精度を上げることを意識した。

 この時、右ひじの手術(2005年10月にトミー・ジョン手術を受けた)から2年が経過していた。不安がなかったわけではない。それでも、キャンプが佳境に入るにつれ、「今年はやれそうだ」という自信が芽生えてきたという。

 インタビュー時、彼には「日本野球と韓国野球の違い」も尋ねている。

「印象としては、パワーは韓国のほうが上だけど、テクニックは日本の選手のほうが精密だと感じました。あとは、ピッチャーに対する分析や研究は、日本の野球のほうが細かいように思いますね。日本の打者は3、4番以外がフルスイングをせず、際どいボールをカットして粘ることが多いかな? その点は自分にとって、ちょっと困る点です。それは代表チームで対戦していた時から感じていました」

 また、日韓の審判の違いについても、こう言及している。