ロッテドラ5、評価がうなぎ上り。恩師が語る福田光輝「豪打の秘密」

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Koike Yoshihiro

 箸を持つ時も、文字を書く時も、ロッテのルーキー・福田光輝は左手を使う。いきなり何のことかと思った方は、ぜひプロ野球選手名鑑を見てほしい。福田のプロフィール欄には、「右投左打」と記されている。

「左利きなのに右投げ......?」

昨年のドラフトでロッテに5位で指名された福田光輝昨年のドラフトでロッテに5位で指名された福田光輝 福田をプロへ送り出した法政大の青木久典監督は、この件について次のように語る。

「OB激励会だったか、新入生歓迎会だったかは忘れましたけど、ある時の立食パーティーで彼が食事の際に左手で箸を持っていたんです。そこで『えっ?』と思って、その時2つのパターンを考えました。ひとつは、もともと左利きなのに右投げに矯正した。もうひとつは、打つ時にボールを押し込めるよう、左手を繊細に使う訓練をしていたのかなと......」

 後日、青木監督は福田に声をかけ、その真意を聞いた。すると、福田は次のように答えたという。

「じつは僕、左利きなんです。箸を持つのも字を書くのも左手ですし、もともとは左で投げていました」

 その福田だが、オープン戦でチームトップの3本塁打を記録して、チームメイトやファンを驚かせた。

 3月11日にZOZOマリンで行なわれた日本ハム戦では、ドラフト1位左腕の河野竜生からライト中段に運ぶ豪快な一発を放つと、3月14日の中日戦(ナゴヤドーム)では、右腕の山本拓実からレフト、ライトに打ち分ける2打席連続本塁打。左投手を苦にせず、左右両方向に長打が打てる非凡なバッティングセンスは、首脳陣からも高く評価された。

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