山田哲人は「何かを持っている」男。
NPB新記録を衝撃の満塁弾で決めた

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 球場が新記録達成の興奮に包まれるなか、山田は「あまりはしゃがないほうがいいかなと思って、とにかくうれしいという気持ちだけで走りました」と、いつものように淡々とベースを一周してホームイン。この一打は、すごいとか驚きを通り越し、山田という打者の恐ろしさを感じてしまった。

 試合後、山田はこんな言葉を残した。

「また何かの記録を更新できたらなと思います」

 その言葉は現実のものとなり、翌2015年、山田は"トリプルスリー"を達成し、本塁打王と盗塁王のタイトルを同時獲得するというプロ野球史上初の快挙を成し遂げた。さらに、日本シリーズでは1試合3打席連続本塁打を放ち、スパースターへの階段を一気に駆け上がっていった。

 その後も、2016年、2018年に"トリプルスリー"を達成し、昨年は盗塁連続成功の日本記録を更新。記録にも記憶にも残る活躍で、いつも我々を驚かせてくれる。はたして山田は、次はどんな形で我々の想像を超えるプレーを見せてくれるのだろうか。

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