ヤクルトのドラフト秘話。八重樫幸雄が語る、いろいろ誤算があった選手たち (5ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

――この年のドラフトは1位:川上、3位:比屋根、4位:日本製紙石巻・太田裕哉、5位:東北福祉大学・中根佑二と、八重樫さん担当の選手が多く入団しました。

八重樫 忘れられないのは中根ですよ。ひざを故障していたし、社会人チームへの入団も決まっていたのでどこも指名しなかったけど、僕は彼の内視鏡写真を取り寄せてトレーナーや医者に診てもらったんです。そうしたら、「東京に来てきちんと手術、治療すればよくなる」というお墨付きをもらったんで、自信を持って指名したんですけどね......。

――結果的に一度も一軍登板のないまま、2015年シーズンでの退団となりました。

八重樫 最後の最後まで粘って、東北福祉大の監督の許可を得て、球団の許可も得て指名したんですよ。それだけ、どうしてもほしかった選手だったよね。仙台育英高校時代は由規と同級生で、もともと中根がエースで由規が控えだったけど、中根が故障して、由規がエースになったんだよ。でも、素材としては由規以上の物を持っていたと、今でも思うだけに残念だったな。

(第20回につづく)

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