2020.04.22

「自分のスイング=本塁打」。西武・
中村剛也が積み重ねた400号の凄み

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

 売り出し中の森友哉(西武)や柳田悠岐(ソフトバンク)の代名詞であるフルスイングと比較し、中村が意識している「軽く打つ」ことについて尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「うーん、フルスイングって難しいんですよね。めちゃくちゃ思い切り振ったのがフルスイングなのか。軽く、でも自分のなかでしっかり振れたのがフルスイングなのかもわからないんです。フルスイングと言っても、人から見たイメージと自分のイメージは違うと思いますから」

 繊細な感覚を誇り、質問のニュアンスが曖昧だと、素っ気ない回答をされる。たとえば打席で「ホームラン狙いだったか」と聞かれれば、ほぼ否定する。「自分のスイングを心がけただけ」と。だが、現役選手の誰よりスタンドに運んでいるのだ。

 ホームラン狙いではないが、結果的にホームランになる。その微差はどこにあるのか。ちょうど400号本塁打を放った場面で、質問者として絶好のタイミングが訪れた。

 打席では決してホームランを狙っているわけではないが、自分のスイングを心がけ、甘いボールが来れば、結果としてホームランになる確率が上がるということだろうか?

「上がると思います。たぶんみなさんが思っているより、僕は小さい頃からホームランを打つ練習をしています。だから、『ホームランを狙う=自分のスイングをする』と自分のなかでなっている。しっかりスイングができて、そういう甘い球が来れば、しっかり打球を上げるとか、ホームランにする練習をしています」