ホークス周東佑京の弱点とは。大道典良がズバリ指摘、今後の課題は? (4ページ目)

  • 岡田真理●構成 text by Okada Mari
  • 寺崎江月●取材協力 cooperation by Terasaki Egetsu

【一軍の選手たちを脅かす若鷹たち】

 今年のオープン戦で強いインパクトを残したのが、カーター・スチュワート・ジュニアだ。彼は2018年のメジャーリーグのドラフトでアトランタ・ブレーブスから1巡指名されたが、身体検査で指摘があり契約合意に至らず、昨年5月にホークスが獲得した。

 今までの外国人選手はいわゆる助っ人的な存在で「育成」という概念はなかったが、メジャーリーグ1巡目指名の有望株が日本に来て、ホークスが三軍で育てるというのだから画期的だ。我々コーチにとっても、米アマチュア野球界のトップ選手の育成に関わるのは大きな挑戦となる。

 そのままアメリカでプロ入りしていたら、彼は最下層のルーキーリーグからのスタートになっていた。月給は円に換算すると12万円ほど。メジャーリーグのすぐ下の3Aでも月給30万円程度で、夢のような給料がもらえるのはメジャーに到達してからだ。それが、ホークスとの契約では活躍次第で年俸が最大で2億円超え。生活の心配をすることなく野球だけに集中できる環境が整っている。

 しかも、私もニューヨーク・ヤンキース傘下のチームでコーチ経験をさせてもらったが、特に若い選手への指導は日本のほうが圧倒的に丁寧だ。それに、日本のプロ野球であればアメリカのようにいくつも階層がないので、早い段階からトップレベルでプレーできる可能性が高い。若いうちにレベルアップできれば、アメリカ国内でメジャーリーグを目指すよりも日本に来たほうが近道になる。今後「日本球界からキャリアをスタートさせたい」という外国人選手が次々出てくるかもしれない。

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