「実態が見えてこない」沖縄の新球団。資金調達法や存在意義に迫る (5ページ目)

  • 森大樹●文・写真 text & photo by Mori Daiki

 東京五輪以降、日本で(五輪やW杯級の)大きなスポーツイベントが開催される予定はありません。しかし今後は、スポーツやIR(統合型リゾート)といった分野が地域振興のカギを握るはずです。サッカーやバスケットボールのトッププロリーグがこれだけの広がりを見せる中で、日本が誇る"国民的スポーツ"である野球だけが拡大しないかというと、必ずしもそうではないと私は考えています」

 16球団制を実現するには、競技人口減少への対策、少子高齢化による経済縮小を見据えたプロ野球の国際的な興行展開、他競技や既存球団との共存方法など、並行して考えるべき問題が山ほどある。

 しかし、こうした問題には、野球界の未来を考える上で避けては通れない内容も多く含まれるのではないだろうか。球団数増加について議論が活発化することは、野球界にとってプラスの機会とも捉えられる。

 そうして将来的に「NPBが16球団に増える」となった時、沖縄からいつでも手を挙げられる状態を作っておく。琉球ブルーオーシャンズの設立は、その基礎を固めるための第一歩に過ぎない。

 そんな琉球ブルーオーシャンズの可能性をもうひとつ挙げるとすれば、日本野球の価値を世界に伝えられるというところにある。2月中旬に行なわれた北京タイガースとの合同練習では、所属選手の吉村がグラウンド上で実演しながら、熱心に中国人選手を指導する光景が見られた。

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