「実態が見えてこない」沖縄の新球団。資金調達法や存在意義に迫る (3ページ目)

  • 森大樹●文・写真 text & photo by Mori Daiki

「基本的に企業は、チームを持つことに消極的です。もし競技に関することで不祥事があると、企業のブランドイメージが低下してしまいますからね。一方で、チームを持っていることが大きなプラスの価値を生み出すことはなかなかありません。

 昨今、親会社の経営不振により、企業チームが廃部となってしまうのはそういった事情があります。そうなると毎年何億円もかけてチームを保有するよりも、どこかのチームにスポンサードするほうがリスクが低い、というのが基本的な考え方になります」

 資金確保の点でもうひとつ特徴的なのは、「一口オーナー制度」を設けていること。一口10万円から申し込むことができ、個人でも琉球ブルーオーシャンズの"オーナー"になることが可能で、チームが大きくなれば株式配当も得られる。自分が投資することで応援する意識が高まり、観客にも当事者となって一緒にチームを発展させていってほしいという狙いがある。

 琉球ブルーオーシャンズの当面の課題は、認知度の向上だ。北川はひとつの試金石として「SNSのフォロワー数」を掲げた。4月7日現在、琉球ブルーオーシャンズのTwitterアカウントのフォロワー数は約2万人。国内の独立リーグでもフォロワー数が1万人を超える球団が少ないことを考えると、好調な滑り出しと言えるだろう。

 2月には元NPB選手入団会見の開催を、選手名を伏せてTwitter上で告知。その選手は元ヤクルトの投手・村中恭兵だったが、会見の当日まで、ネット上では加入選手についての予想が飛び交うなど話題になった。

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