走攻守でキラリ光るヤクルト塩見泰隆。メンタル強化でレギュラー獲りへ (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

「ドラフト同期ということに強い思い入れはあります。ムネ(村上)は年下ですし、子どもっぽいところはあるんですけど、あいつの活躍は僕にとってすごく刺激になります。年齢を考えれば(塩見は26歳、村上は20歳)、本当は僕が引っ張らないといけないのですが、あいつのほうが頭2つ、3つも飛び出しましたからね。追いつけ追い越せじゃないですけど、切磋琢磨してやれればと思っています」

 宮出ヘッドコーチは、塩見について「活躍してもらわないと困る選手」と言った。

「去年、オープン戦で結果を出して一軍で開幕を迎えましたが、相当苦しみました。ただ、その経験値が塩見の強みだと思っています。塩見自身も去年の二の舞にはなりたくないと思っているはずですし、オフはメンタル強化に取り組みました。そうしたこともあり、今年は違ったものを出せるんじゃないか、チームとしても大いに期待しています」

 阪神戦のあと、塩見はベンチからクラブハウスへ戻る道で、並んで歩くチームメイトに「2ストライクに追い込まれてから、このへんにボールがきて『やべ、マジで三振するよ』って、そこをなんとかファウルにして......」と。じつに楽しそうに1打席目のことを振り返っていた。

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