走攻守でキラリ光るヤクルト塩見泰隆。
メンタル強化でレギュラー獲りへ

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 3月20日、プロ野球開幕戦は新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期となり、当日に予定されていた開幕6カードは「無観客練習試合」として行なわれた。神宮球場ではヤクルトと阪神の試合が組まれていた。

 ヤクルトの塩見泰隆は今シーズンの飛躍が大いに期待されている3年目の外野手で、この日も「5番・センター」で先発出場を果たした。

今年こそレギュラー獲りに意欲を燃やすヤクルト・塩見泰隆今年こそレギュラー獲りに意欲を燃やすヤクルト・塩見泰隆「僕のなかでは開幕戦という意識で打席に入りました」

 そう話した塩見の第1打席は、阪神先発の西勇輝から右中間を破る三塁打。追い込まれながらもファウルで粘り、6球目を逆方向に打ち返した強烈な打球と、三塁まであっという間に到達したスピードは、新レギュラー候補として十分に存在感を示すものだった。

「公式戦の開幕だったら本当にいい1打席だなと思うんですけど......。とはいえ、西さんという開幕投手を任される方から受け身になることなく、1打席目にヒットを打てた。そこは本当によかったと思っています」

 塩見は昨年の秋季キャンプから「ポジティブに考えること」を課題に練習に取り組んできた。昨シーズンは、オープン戦や二軍ではすばらしいパフォーマンスを発揮するも、一軍の試合になるとメンタル面の弱さが露呈し、満足な成績を残すことができなかったからだ。

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