山本昌が球児の球数問題に一案
「反発係数の低い金属バットの導入を」

  • 菊地高弘●構成 text by Kikuchi Takahiro
  • 松田崇範●写真 photo by Matsuda Takanori

山本昌 僕は必要だと思います。極端に言えば、200球投げて次の日に先発させる......というのはナンセンスですから。ただ、球児のなかには球数制限はいらないと考えている選手もいるそうです。高校野球で燃え尽きたいという選手もいれば、大事な試合で投げられないのは嫌だという選手もいるのでしょう。日程を緩くするのが一番の解決策ですが、それが難しいならバットを変えるのが一番効果的だと思います。

二宮 木製バットに変えるということですか?

山本昌 木だと折れたら使えなくなるし、資源も限られているので難しいでしょう。反発係数の低い金属バットを導入するのが現実的でしょうね。

二宮 バットが変わると、どうなるのでしょうか。

山本昌 明らかに打力が落ちますから、投手の負担は減ります。同じ1球でも、ランナーがいない状況で楽に投げる1球と、ピンチで強打者を相手に投げる1球では負担の度合いが変わってきます。

二宮 なるほど。

山本昌 そう考えると、たとえばピッチャーの持ち球を120球と決めておいて、ランナーが二塁にいくと持ち球から数球を減らす......というような減算方式ができるならいいんじゃないかと思います。ピンチを迎えなければ120球フルに投げられるわけです。

二宮 それは面白いアイデアですね。新しい駆け引きも生まれそうです。

山本昌 日本のスポーツメーカーは非常に優れていて、反発係数の低いバットもつくれるはずです。今度は木製より丈夫で芯だけでしかボールが飛ばないバットを開発してもらえれば、投手の負担が減るだけでなく、打者のレベルももっと上がるはずです。

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