DeNA櫻井周斗をラミレス監督が高評価。驚くほど投球内容が変わった (4ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Koike Yoshihiro

「スライダーに関しては去年の被打率は低いですし、自信をもって投げられる球種なので、今季投球内容が変わっていくにあたって、帰れる場所じゃないですけど、迷った時に使うといった位置づけです。たとえばカーブの調子が悪ければ、スライダーを代用するなど、オプションとして使うことができる。僕のなかでスライダーに関して課題はなく、今はほかのものに目を向ける時期かなって」

 14日の日本ハム戦で櫻井は、高校時代にしのぎを削り合った清宮幸太郎と対戦した。当時、日大三のエースだった櫻井は、2年秋の東京大会で早実の清宮幸太郎と対戦し、スライダーを武器に5打席連続三振に打ち取った。

 だが、今回の対戦ではスライダーを1球も使うことなくカットボール、ストレート、チェンジアップ、ツーシームで勝負をした。

「武器も変わり僕のピッチングのスタイルは変わってきていますし、相手も成長してレベルが高くなっている。結果的にフォアボールにはなってしまいましたが、新しい自分で勝負ができたのはよかったと思います」

 入団当時はストレートとスライダーの2ピッチの投手だった。そう言うと櫻井は「今とはまったく別物ですよね」と苦笑した。今年21歳になる青年からはあどけなさが抜け、大人のピッチャーになった。

 数字的には苦しんだオープン戦であったが、ピッチングスタッフの木塚敦志コーチと川村丈夫コーチから「苦しい時期だろうけど、絶対に逃げるな。状態が悪いことと向き合って逃げなければ絶対によくなるはずだから」と、背中を押された。

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