ロス五輪決勝、吉田幸夫は思った「アメリカに勝ったら狙撃されちゃう...」 (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

 金メダルを獲れたのは、フィジカルや技術ではなくて、最後は気力だったと思っています。もしチームのなかに、負けてもいいやという選手がひとりでもいたら、絶対に勝てなかった。日本のために、日本の代表選手であるという自覚を全員が持っていたから、最後、勝ち切れたんです。

 日本代表になりたいという選手がいっぱいいたなか、代表になれたのはたったの20人です。その20人は、どんなにプレッシャーがかかろうとも情けないプレーをするわけにはいかないし、自分にとっても、今まで練習してきた野球を披露する最高の発表会の舞台に立っている実感がありました。

 私は、それがオリンピックだったことの幸せを噛み締めてプレーしていました。その結果、みんながそれぞれ自分の仕事をまっとうして、金メダルを獲れた......私は、ロサンゼルス五輪の金メダルは、そういう"チームワーク"がもたらしてくれたものだったと思っています。

おわり

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