里崎智也「名捕手にリードは関係ない」。衝撃的な発言のその意図とは... (5ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

里崎 会澤のリードをとやかく言う人もいますが、リードの良し悪しは勝ったかどうかでしか評価できません。会澤は、石原(慶幸)と併用される時期もありましたけど、2018年までチームをリーグ3連覇に導いた捕手です。2019年にBクラスに落ちたからといって、その実績を無視してリード批判をするのはナンセンスですよ。

袴田 捕手は結果で評価をすべき、ということですね?

里崎 そうでなければ、「0-10で負けたけど、今日は投手が悪かった。リードは抜群だった」、もしくは「ノーヒットノーランで勝ったけど、これは投手の力。リードはポンコツだった」という意見が出てこないとおかしい。でも、そんなことを言う人は絶対いませんよね。

 捕手にも、勝つ以外の評価基準を設けてほしいんですよ。投手のクォリティースタート(先発投手が6イニング以上を投げて、自責点3点以内に抑えた記録)のように、捕手が何回マスクを被って何失点ならOKといったような。

袴田 ただ、里崎さんはリードを批判してはいけない、というわけではなく、それには勉強が必要だともおっしゃっていますね。実際に昨年9月くらいから、「捕手のリードを批判するなら勉強してね!」という動画も5本配信しました。

里崎 その動画でも言いましたけど、前提として「配球」と「リード」は別です。打者の得意なコース、球種別の対応、打球方向の特徴など、あらゆるデータに基づいて事前に決める攻め方が「配球」。だから、まずはどの打者が打席に入っても、「このコース、この球種が有効」といったことがパッと出てくるように、データが頭に入っていないといけない。

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