里崎智也「名捕手にリードは関係ない」。衝撃的な発言のその意図とは... (4ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

袴田 主力クラスの選手ではいかがですか?

里崎 ソフトバンクの柳田(悠岐)と広島の鈴木(誠也)が、「令和初の三冠王」になれるかに注目しています。柳田はケガさえなければ可能性は高いでしょう。鈴木に関しては、打席に入る前にどれだけランナーを溜められるかですね。昨シーズンは、田中(広輔)が不調だったのをはじめ、3番打者までが十分に機能しませんでした。そこがクリアされたら、三冠王が見えてくると思いますよ。

袴田 三冠王は2004年(当時ダイエーの松中信彦)から出ていませんから、16年ぶりの快挙に期待がかかりますね。次に、里崎さんの専門分野でもある捕手の注目選手を教えてください。

里崎 新星という点ではちょっと見当たりません。昨シーズンを振り返ると、西武の森(友哉)が僕の自論のまんまの活躍をしてくれましたね。僕が考える名捕手の条件は、「打つこと」と「勝つこと」。リードは関係ありません。実際に森は、キャリアハイの23本塁打、打率.329で首位打者を獲得してMVPに輝き、チームのリーグ優勝に大きく貢献しました。

 2年連続でチーム防御率はリーグ最下位ですけど、「リードが悪い」と言ってリーグ優勝捕手の評価を下げられませんよね。この意見に賛同してくれる人は少ないんですが、結果に表れていますから。

袴田 それは『Satozaki Channel』でも何度も主張されていますね。今年の元日に配信した回で、投手の「沢村賞」のように、里崎さんの独自の基準(※)で捕手の「里崎賞」を発表しましたが、その2019年度の受賞者である広島の會澤翼選手も"打つ捕手"のイメージが強いです。
(※)「年間の出場試合数が半分以上」「打席数200打席以上」「本塁打10本以上」「打率2割5分以上」「盗塁阻止率3割以上」「パスボールが3つ以下」「オールスター出場」の7項目

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