無観客試合のリアルとは。選手は聞こえすぎる声、新たな音に戸惑い (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 ライトでスタメン出場した雄平は、ひとり早出練習に始まり、試合後も若手たちと一緒になって"特打"でバットを振り込み、1日を終えた。

「満員のイメージで試合に入りました。打席に入る時は(頭のなかで)登場曲や応援歌も流れていました。できるだけ実戦を意識して......」

 無観客のなかでのプレーについては、次のように語った。

「寂しさを感じたと同時に、お客さんのありがたさを痛感しました。お客さんがいるのといないのとではこんなに違うのかなと。いつもなら勝ったら球場でファンの方と一緒になって喜べる。喜びを分かち合える人が多いほどうれしいですから。今回はそういうことを再認識できた、いい期間だったと思えるようにしたいですね」

 3月9日、日本野球機構は公式戦の延期を正式に発表した。現段階では4月中の開催を目指しているという。本格的な球春到来はまだしばらく先になってしまったが、ファンの前で選手たちは最高のパフォーマンスを見せてくれるはずだ。

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