DeNAに強力な先発左腕候補がまたひとり。
ドラ2坂本裕哉の評価が高い

  • 森大樹●文・写真 text & photo by Mori Daiki

 川村コーチは、ベイスターズの上位指名の大卒投手が1年目から活躍できるのは、「同じ立場だった先輩がいるから」と話す。コーチから言うよりも選手間で会話をし、勉強したほうが吸収しやすいということだ。

 その言葉を体現するように、坂本は今キャンプで主に今永と行動を共にし、会話する場面を多く見かける。グラウンド上はもちろんのこと、ホテルでは今永が部屋に持ち込んだ古い野球ゲームで対戦して楽しんでいる。同じ福岡出身でもある今永曰く、坂本は「しゃべりやすい性格のいい後輩」だという。

「坂本からは、1年目の時のこと、この時期の体調のことなど、いろいろ聞かれるので自分の経験を伝えています。でも細かく教わるのではなく、自分の好きなようにやったらいいとも言っています。今アドバイスを送っても、それが彼にとって正解かは分かりません。自分の好きなようにやって、失敗もして、いろんな経験をすればいいと思います」

 そんな今永の言葉はドライにも聞こえるが、あくまで今永は、プレーや練習に取り組む姿勢を見せつつ「聞かれれば答える」というスタンス。自分で考えて答えを出させる坂本への接し方は、今永自身のプロでの経験を踏まえた先輩なりの優しさなのだろう。

 坂本にとっては、一昨年に11勝(5敗)を挙げて新人王に輝いた東も立命館大の先輩であり、目標とするひとりだ。東からは今年の新人合同自主トレが始まる際に、「焦らず飛ばしすぎないように」とアドバイスを受けた。

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