オリックス福良GMが明かす、アダム・ジョーンズ獲得の舞台裏 (3ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

── 日本に着いてすぐ道頓堀に繰り出したり、箸を上手に使ってラーメンを食べたり、なんといってもキャンプに初日から参加しているあたり、日本に馴染もうという気持ちを感じさせられます。

「そうですね。もちろん得点力不足の解消は一番の目的ですけど、それ以上に、ウチの若い選手に与える影響を考えたということも獲得の理由のひとつでした。向こうでも彼は常にクラブハウスのリーダーだったという話は聞いていましたし、実際に会って話しても賢いなと思います。そういう彼の言動ひとつを取ってみても、若い選手にしてみれば勉強になると思うんですよ。彼らがジョーンズから何かを学んでくれたらチームにとってはプラスに働くと思いますし、いい方向へ導いてくれるかな、というのはありますね。阪急(ブレーブス)時代のブーマーを思い出しました」

── おお、1984年、外国人選手として初めての三冠王に輝いて、阪急をリーグ優勝に導いたブーマー・ウェルズですか。

「バッティング練習を見ていても、頭のよさを感じるんです。外国人選手って、練習でも派手にかっ飛ばして、いいとこ見せたいというのがあるやないですか。でもジョーンズの場合はそういうのやなくて、自分のスタイルを貫いている。しっかり逆方向へ強い当たりを打とうという意志が見えるんです。ブーマーも頭のいい外国人でしたからね」

中編につづく

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