剛球王・北方悠誠が語るマイナーリーグの現実。現テーマは「打たれること」 (3ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • photo by Asa Satoshi

「もともと独立リーグ時代も、練習量はあまり求めていませんでした。チーム全体のメニューはやるんですけど、それが自分にとって多いと感じた時は個人の練習量を減らし、少ないと感じたら増やしていました。アメリカでも必要最低限はやっていました。多すぎても体に負担がかかるだけなんで」

 そうした環境を経験したことは、ニュージーランドで役に立った。ここではトレーナーはアップの時しか指導せず、トレーニングは各自でこなす。幸い、寮から歩いて15分ほどのところにある本拠地は、もともと地元ラグビーチームのホームスタジアムでもあるので、ジムなどの設備面もそれなりに充実している。

 食事面についても、アメリカとニュージーランドではずいぶんと違う。ホテルや球場の食堂で栄養士の管理のもと、きちんとした食事が提供されていたアメリカと違い、ニュージーランドは自己管理となっている。

「アメリカはおかわりが自由なので、量は管理されていないんですけど、トレーナーがちゃんとついていますから、太りすぎたら言われます。ニュージーランドは、食事に関しては遠征時にはミールマネーが出て、ホームの時は寮できちんと出してくれるという話だったんですけど......バラバラですね(笑)。今は寮の食事が出ていません。だから、外に食べに行くんですけど、やっぱり寮で食べるのがいいですよね。それにミールマネーもいつの間にか出なくなったので、今、交渉中です」

 プロがプレーする場として、まだまだ課題の多いニュージーランドだが、北方は自ら希望してここへやってきた。

 ルーキーリーグのシーズンは8月末には終了する。北方はいったん帰国し、古巣・栃木でトレーニングを続け、秋に行なわれる若手主体のインストラクションリーグ(教育リーグ)に参加するため再びアリゾナへ渡った。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る