八重樫幸雄が明かす青木宣親のすごさ「ボクシングで世界王者になれる」 (4ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

――「腕が速い」とは、どういう意味ですか?

八重樫 うーん、瞬間的な腕のスピードと言うのかな? ボールをギリギリまで手元に引き寄せてから、「あっ、ストライクだ」と思ったら、瞬間的にパッと腕を出してファールで逃げることができる。そういう腕の速さなんだよね。

――そういう選手は他にはいたんですか?

八重樫 なかなかいないよ。強いてあげるとすれば、全盛期の高橋慶彦(元広島など)がそうだった。マスクをかぶっていて、「あぁ、見逃すのか」と思った瞬間にバットが出ている。そういうタイプは青木、そして高橋慶彦ぐらいじゃないかな? あとは、加藤博一(元大洋など)も速かったな。

【青木はボクシングの世界チャンピオンになれる逸材】

――「腕の速さ」というのはスイングスピードとはまた別の考えなんですか?

八重樫 そうだね。この頃の青木にはまだ腕の力はなかった。でも、腕の速さというのは、腕力とはまた別なんだよ。とはいえ、もう少しウェイトで腕力を鍛えればホームランだってたくさん打てると思ったよ。だから青木を呼んで、「本格的に鍛えればホームラン30本は打てるぞ」って言ったこともある。この腕の速さは天性のもの。教えても、鍛えても身につけられるものじゃないから。

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