野村克也に八重樫幸雄が感謝。ベテランへの気遣いと現役後のアドバイス (3ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

――1993年に日本一になるとともに、この年限りで八重樫さんは現役を引退しました。八重樫さんの引退パーティーでの野村さんのスピーチが話題となりましたよね。

八重樫 そうそう。ノムさんに言われたのは「お前はオレと同じで無口なタイプだから損をすることが多い。でも、野球を引退したら、これからはしゃべることが大切になるから、しっかりしゃべる練習をしなさい」って言われたんだよね(笑)。確かにノムさんも現役のときは無口だったけど、現役を引退して評論家になってから、すごくしゃべる練習をしたんだと思うよ。実際に、すごくうまくしゃべれるようになっていたから。

――現役引退後、野村さんからのアドバイスをきちんと実践したんですか?

八重樫 しましたよ。本当なら講演の依頼が来ても、「オレには向いていないや」って断っていたと思うけど、ノムさんの言葉があったから、「何事も経験だ」ってチャレンジするようになったし、おかげで人前で口を開くことが少しずつラクになったよ。ノムさんのアドバイスがすごく役立ったよね(笑)。

【いつもノムさんの影響を受けていた】

――現役引退後、八重樫さんは指導者の道に進みます。野村監督時代の1997年、そして1998年は野村さんが一軍監督、八重樫さんが二軍監督という関係でした。この頃、一軍、二軍の監督間のやり取りはどの程度行われていたのですか?

八重樫 月に一度程度でしたよ。でも、ノムさんからは特に何も言われなかったな。

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