投手で甲子園優勝→プロで遊撃手挑戦。日本ハム平沼翔太、5年目の危機感 (2ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Sawai Fumi

 2年目のシーズンが開幕すると、早々に一軍に上がり、4月20日のオリックス戦で代打としてプロ初デビューを飾った。結果は三振に終わったが、すべてが"予想外"だった。

「二軍ではそこそこ打てていましたが、こんなに早く一軍に上がれるとは思わなかったんです。一軍と二軍は雰囲気そのものがまったく違っていて、正直、一軍では自分がひとりでポツンといるような感じでした。それだけにまだ早すぎるような空気がありました。なにより、あの年は(一軍で)まったく打てなかったですし(8打数無安打)。打てるイメージも湧きませんでした」

 守備は急にうまくなれないから、まずは長所であるバッティングでアピールしていこうと意気込んだが、まったく通用しなかった。だが、一軍を経験できたことで自分のやるべきことが明確になった。

 3年目の6月、ヤクルト戦で悲願のプロ初安打をマーク。4年目の昨年にはスタメンで起用される機会が増え、7月26日の西武戦ではプロ初本塁もマーク。目指しているものが徐々に形になってきた。

 2019年のオフからチームの先輩である近藤健介に誘われ、一緒に自主トレーニングを行なうことになった。今では「ひとりでポツンといるような感じ」はない。平沼のなかに一軍の世界が身近に感じられるようになった。

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