中日・岡田俊哉が胸に刻む亡き師の教え「あの3年があって今がある」 (2ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Sawai Fumi

「恥ずかしいかも知れませんが、ストライクゾーンにビビらずに投げられるようになったことです。以前は『打たれたらどうしよう』と思いながら投げていました。ストライクゾーンに投げることを恐れて、フォームを崩してコントロールが悪くなる。たまにストライクゾーンに投げたら打たれる。その繰り返しでした」

 昔はムキになってストレートを多投し、痛打されるシーンが多かった。そこで指導者に厳しい指摘を受けて、さらにムキになる。だが、そこまで感情的になりやすかったのは、自信を持って投げられていなかったからだ。

 どんな状況でも自分のフォームで投げられるようになりたいと思った岡田は、稲葉コーチから教わった投球動作を頭のなかで反芻した。

「自分のフォームでしっかりストライクゾーンに投げないと、コースに決めることすらできない。あの3年間でやってきたことが今すごく生きています」

 加えて岡田は、高校時代までケガをしたことがなかった。プロに入り一度だけヒジを痛めたことはあったが、高校1年春からフルでマウンドに立ってきたにも関わらず、それ以外に大きなケガを負ったことはない。

 だが、2017年に血行障害に悩まされ、手術に踏み切った過去がある。

「6月の上旬に手術をして、そこからリハビリに時間をかけたので、あの1年はほとんど投げられませんでした。本当に辛かったです」

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