2020.02.05

当事者が語る「巨人松沼兄弟獲得」
大誤報の真実と根本陸夫の口説き文句

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Kyodo News

「クラウンライターライオンズでスカウトに来られてもね、僕たち入ってなかったと思うんですよ。それが西武ライオンズは、レオのマークが示したとおり、みんなが喜びそうなチームに仕上げようとしてたじゃないですか。華やかさを出そうとしてたじゃないですか、パ・リーグなのに(笑)。その『新しい!』っていうイメージには惹きつけられましたよね。でも入団した時、まだ西武球場ができあがっていなかった。それは仕方ないとして、新人合同自主トレをやったのは高輪プリンスホテルの駐車場ですよ(笑)。『コンクリートの上で何ができるの?』と」
 
 高輪で可能な限りの練習をしたあとは新宿・高田馬場のトレーニング施設に行った。その後、静岡の伊豆・下田で第一次キャンプに入っても、野球場ではないグラウンドでの練習。不満を漏らす選手もいたなか、「道端でもキャッチボールはできるじゃないか」と根本が言った。博久自身、「プロっていうイメージと重ならない、変なスタート」と感じていた。急造の新生球団ゆえの準備不足によるものだったが、米国フロリダ州ブラデントンでの第二次キャンプは博久にとって快適だった。

「日本のキャンプと比べて......ですけど、練習時間が短くて、グラウンドコンディションによっては練習できなかったり、メジャー球団が来たら途中で明け渡さないといけなかったり。目一杯にやることがなくて、投内連携みたいな細かい練習もあんまりやらなかったし、サインプレーもほとんどやってない。根本さんから何か言われることもなくて、ミーティングもない。本当に。僕たち新人なのに、プロに入っての心構えみたいなのも、『お前たち、大人なんだから自分で管理しろ』ですからね」