平石洋介が明かすソフトバンクからの
コーチ就任要請を受諾した真意

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Kyodo News

「前の日に勝っていようが負けていようが、誰の目から見ても選手たちに疲れが溜まっている時期ってあるじゃないですか。それでも変わらないのがホークスなんです。プロ野球選手って、自主トレとかで自分が契約しているトレーナーがつくったメニューを一生懸命にやるんです。じゃあ、なんで球団のトレーニングコーチがつくった全体メニューを適当にやる選手が多いんだろうって。

 それって、『プロとして絶対におかしいやろ!』と。だって、球団の人間のほうが責任重大じゃないですか。全員を見ているわけだから。『選手にいい準備をして試合に臨んでもらいたい』『絶対にケガをさせないように』って考えてくれているわけだから、本当ならしっかりやるべきなんです。だから僕は、楽天でそこを言い続けてきたわけです」

 平石がコーチに就任し、宮崎での秋季キャンプに合流したのは昨年の11月11日だった。

 最初に驚かされたのは、トレーナーやトレーニングコーチ、用具係など裏方の数だった。「ヤバ! めっちゃ多いな......早く覚えな」と。一軍から三軍まであるとはいえ、あまりの大所帯に平石は面食らった。それと同時に、この人数がチーム力にも比例しているのだろうと、第一印象から感じることもできた。

 本音を言えば、自身が参加したわずか10日間でチームの骨格が見えたかと問われれば、「ほとんど見えなかった」と平石は話す。それでも大きな収穫はあった。チームの理念、強者のメンタリティを感じられたことだ。

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