松坂大輔、古巣への想い。ホークス、ドラゴンズでは言わなかったこと (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

 39歳になった時、「3と9でサンキューな1年だね」と、わけのわからないことを口走ってしまったら、「感謝しながらってことですね」とオトナの対応で返してくれたナイスガイ──チーム最年長の松坂は、キャッチボールでは当たり前のように一番手前の親分の位置で投げ始めた。

 相手を務めたのは年下のピッチャーではなくブルペンキャッチャーだ。周りからの見られ方は否応なく、若手とは距離がある超大物、若手のドラフト1位たちに挑むかつてのドラフト1位、といったふうになる。実際、初日の練習を終えた松坂と報道陣との質疑応答でもこんな質問が相次いだ。

「ブルペンで30分あまり、他のピッチャーのピッチングを見ていましたが、どのピッチャーが気になりましたか」

「若い、ドラフト1位のピッチャー(今井達也、高橋光成、齊藤大将、松本航、宮川哲)についてはどういう印象を持ちましたか」

「若手へのアドバイスは、まだ様子を見ている感じですか」

「ブルペンの若い選手たちを見て、自分の初年度を思い出したりしましたか」

「若いピッチャーのことはライバルになるという目線で見ていたんですか」

"若くない"松坂に、若いピッチャーはどうか、若いピッチャーをどう見たか、と矢継ぎ早に質問が飛ぶ。そして松坂はその一つひとつを丁寧に答えた。

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