2020.01.17

奥川恭伸の「2つの姿勢」に活躍の予感。
ヤクルトの自主トレで見せた凄さ

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 気になるブルペンでの投球については、次のように語る。

「遠投を経て、自主トレの終わり頃に立ち投げでもいいので、マウンドの傾斜を使って投げたいと思っています。(ブルペンに入った)3人は大学生ですので、焦らずにやっていきたいです」

 1月13日、第2クール3日目。

 バント処理練習の際、奥川は「守備は重要だととらえています」と話した。けん制やバント処理でマウンドを駆けおりる姿は、まるで試合と思うほどの迫力があった。

「スカウトの方から、状況をしっかり想定して練習したほうがいいとアドバイスをいただいていましたし、ここぞという場面で、アウトにできるかセーフになるかで試合展開はまったく変わってくると思います。普段から細かいところに気をつけることで、試合の時にしっかりアウトが取れると思っています」

 1月14日、第2クール最終日。

 2度目となる遠投で、「今日はいまひとつでした」と奥川は言ったが、70メートルの距離から放たれるボールはグーンと伸びて、星野ブルペン捕手の頭を越えるほどだった。

「力が入ってしまったことでボールが流れてしまいました。ただ、終わりのほうは力が抜けてよくなりました。次回はその感覚を忘れず、もっと質のいいボールを投げたいです。ここまでいい感触で強度を上げながらできています。これからもっと強度が上がるなか、ケガをしないようにやっていきたいです」

 この日、奥川は400メートルトラックを使った12分間走で3375メートルを記録。一緒に走ったほかの5人すべてを周回遅れにする圧倒的な走りを見せ、1周ごとのタイムラップにも大きなばらつきがなく、あらためて”体内時計”の性能の高さを証明した。

「走るリズムを感じながら、ちょっと疲れてペースは落ちていると思うんですけど、なんとか走れました」

 前田トレーナーは12分間走の目的について、次のように語る。

「新人選手たちの体力の基礎ベースを把握することが目的でした。今回の結果で言えるのは、有酸素の持久力があるということなので、単純に体力があるということです。野球はそれほど有酸素運動を必要としないのですが、基礎体力がなければ普段の練習はこなせません。奥川選手は、今日もそうですが走り終わったあとでも座ることなく飄々としていますし、僕としてもこれからが本当に楽しみです」