井端弘和の厳選2019年5大ニュース。坂本、MLB戦術などを挙げる (3ページ目)

  • 寺崎江月●文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

【③ MLB式の戦術】

──シーズンの途中にも、日本ハムの守備シフトやオープナーについて伺いましたが、シーズンが終わって、あらためてどのような印象を持ちましたか?

「守備のシフトについては、それでアウトになった確率などのデータがないので球団の判断になりますが、オープナーは一定の効果があったんじゃないかと思います。日本ハムでいえば、オープナーの中心を担った加藤(貴之)のように活躍できる投手も増えました。『何回で交代する』とある程度決まっていることで、途中から代わる投手は、それまでの流れや前の投手の調子などを引きずらずに登板できる。故障明けの杉浦(稔大)なども、回数が決まっていたほうが調整しやすい部分もあるのでは、と感じました。

 ただ、セ・リーグのほうが導入をためらう球団が多いかもしれませんね。DHがないので投手の替え時が難しいですから。それでも、今季から両リーグとも『出場選手登録』の人数が1枠増えて29人(ベンチ入りの人数は25人で変わらず)になり、それをうまく駆使しようとDeNAなども模索していたので、今後いい方向で進みそうな気はします」

──より有効な活用法はあるでしょうか。

「現在は中継ぎ投手を継投させることが多いですが、打者の立場からすると嫌なんですよね。オープン戦の投手起用が似ているんですが、打席ごとに投手が変わるとその都度対応しないといけないので。だから大きく変える必要はないと思いますが、私個人の案としては、毎週日曜は先発型の投手2枚でやりくりをするのもいいんじゃないでしょうか。そのときだけ、ベンチにいる中継ぎ投手と『出場選手登録』されている先発投手を代えれば、理論上は可能かと思います。

 今のプロ野球では、中継ぎ投手が登板過多になる傾向があります。でも、移動日前の日曜の試合を2人の投手で乗り切れたら、ゆっくり休養することができる。そうして体と心をリフレッシュさせたら、火曜からの試合でのいいパフォーマンスにつながるんじゃないかと。そういったことは各球団も考えているでしょうし、日本ハムやDeNA以外に導入するチームが出てくるかもしれません。来季はそこも注目ですね」

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