中日ドラ3岡野祐一郎投手の武器は「間」。長く立つで打者を惑わす (3ページ目)

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Nagata Ryotaro

「(中学時代の経験があるから)任された試合は『絶対に勝つ』という気持ちでマウンドに上がっています。当時の悔しい経験があったから、絶対に勝ち取ったポジションを譲らないというプライドにつながっている」

 大舞台でも安心感を与えるマウンドさばきは、そうした積み重ねからできあがってきたものだ。

「都市対抗予選は独特な空気が流れているなと、この2年間の経験で感じました。そのなかで、もちろん味方にミスは出ると思うんですけど、それをカバーできるピッチャーが真の勝てる投手だと思いますし、大切なのはピッチャーと野手の信頼関係だと思うんです」

 味方選手がエラーをしても、岡野は「大丈夫」と片手を大きく上げて相手の気持ちを和らげ、逆に味方が好守をすれば「ありがとう」と声をかける。

 もうすぐプロでの生活が始まる。24歳でのプロ入りは決して遠回りだと思わない。ゲームを支配する圧巻の投球術は社会人で磨かれたものだし、プロの世界でもきっと発揮されるはずだ。

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