大田泰示が日ハム3年目でキャリアハイ。巨人との絶対的な違いを明かす (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

──個人としては、移籍3年目にしてキャリアハイの成績でした。振り返っていかがですか?

「まだ『何かを掴んだ』という感覚はないです。でも、移籍してからの3シーズンは100試合以上に出場できて、たくさん打席に立てたことは大きかったと思います。シーズン中に何度も対戦する先発陣の球質や変化球の曲がりなどを直に確認できますし、打球の手ごたえから、『次の試合ではどのコースや球種を狙ったらいいのか』といった対策を練ることができますから。

 もらったチャンスを生かすために、しっかり集中することもできました。バッティングが『右往左往しなくなった』というか、自分の形ができたことが、今シーズンの結果につながったんじゃないでしょうか」

──今シーズンは2番での起用が多かったですね。

「戸惑いはありませんでしたが、難しかったですね。足の速い1番の西川(遥輝)が塁に出たら、カウントを整えて相手ピッチャーが変化球を投げやすい状況にするなど、盗塁を助けることも考えないといけないので。でも、自分のバッティングも重要ですから積極的に打ちたい気持ちもあり、ゲッツーにしてしまったこともあります。

 そういった場面を何度も経験したことで、シチュエーションに適したプレー、試合の流れなどを考えることが増えました。あらためて野球の奥深さを知れたことは、今後の成長につなげられると思います」

──巨人時代には思うような結果が残せていなかったと思いますが、やはり"ドラ1の長距離打者"として期待されたプレッシャーが大きかったのでしょうか。

「それよりも、チャンス自体が少なかったですからね。少ない打席で結果を残しても、それを継続しないとまた出られなくなる。ジャイアンツはすごく層が厚いチームですから」

──巨人と日本ハムでプレーし、選手の起用法の違いについて感じたことは?

「ジャイアンツは、たとえば阿部(慎之助)さんのように長く結果を残してきた選手たちがスタメンに名を連ね、その中にファームで調子がいい若手の選手などが2人くらい入るイメージでした。一方のファイターズも、中田(翔)さんや近藤(健介)といった"ベース"はありますが、期待をしている若い選手をより積極的に起用していく印象があります。

 層が厚く、誰かがケガをしても代役がいるジャイアンツに比べると、ファイターズは"少数精鋭"。うちは育成の選手もあまり獲らないので、若い選手をどんどん使って鍛え上げながら、なおかつ勝利を目指すというのが特色だと思います」

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