村田修一が松坂世代を語る。松坂大輔にエール「限界まで投げ切って」 (3ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORTS

 ベイスターズでチームメイトだった藤田(一也/楽天)からは、『コミュニケーションをとても大切にする』と聞いています。期待する選手を積極的に起用する印象があって、巨人からトレードで移籍した和田恋もすぐに一軍で起用してくれ、初ホームランを打った時は僕もうれしかったですよ。今後もさまざまな選手を育てていってくれることを楽しみにしています」

── 一方で現役の選手としては、阪神の藤川球児投手が今シーズンは56試合に登板。途中からはクローザーを務め、防御率1.77、23ホールド、16セーブとすばらしい活躍でした。

「今でも第一線で活躍できているのは、ストレートの球威が戻ったからでしょうね。だいぶ昔に、ストレートは人差し指と中指をほとんど開けないで投げると、本人から聞きました。普通ではやらないことですが、それほどボールのスピン量へのこだわりがあるんだと思います。

 そういったこだわりが"火の玉ストレート"復活につながり、変化球も効果的に使うことができるようになった。藤川は通算250セーブまであと少し(241セーブ)なので、早く達成して松坂世代から初の名球会入りを果たしてもらいたいです」

──ソフトバンクの和田毅投手は、今年の日本シリーズ第4戦で日本一を決める勝利を挙げるなど勝負強さを発揮しましたが、ここ数年のレギュラーシーズンは少し不本意な成績になっていますね。

「毅は、ケガが多い中でよく投げていると思います。僕が現役時代に、杉内(俊哉/現巨人二軍投手コーチ)と新垣(渚)の"同級生トリオ"がホークスに揃っていた時は、『どうやって打てばいいのか』と頭を悩ませました。でも、毅との対戦成績が一番よかったかな(笑)。今では、現役で頑張っているのは毅だけになったので、ひとつでも多く勝ち星を積み上げてほしいです」

──ちなみに、同じチームの指導者になった杉内コーチとはどんなやりとりをするんですか?

「杉内とは、投打とも『選手にガツガツ感がない』と話をします。一軍での経験数が少ないことも影響しているのか、二軍での結果で満足してしまう傾向があるのかなと思います。『もっと活躍して、一軍でプレーしたい』という意欲は、僕たちのほうがあったように感じるんです。突然一軍に呼ばれ、東京ドームの観衆5万人の前でプレーできる可能性は常にある。『その準備が本当にできているのか?』ということをより意識させるよう、来シーズンに向けて杉内やほかのコーチたちと試行錯誤していきたいと思っています」

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