ヤクルト高津監督が語る高卒3投手の育成「先発、リリーフの中心に」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 201910月1日、ヤクルトは高津臣吾一軍監督就任を発表した。11月の愛媛・松山秋季キャンプで、あらためて3人について話を聞いた。

「高橋と寺島は先発の中心に、梅野はリリーフの中心になってほしいですよね。そうなれば、現状の投手陣を考えれば、少なくともいい状態になるのは間違いありません。ただ、来年の東京オリンピックを区切りにするのは、ちょっとまだ厳しいかなと思っています」

 彼らに寄せる期待の大きさは変わらない。

「今回、梅野を久しぶりに見たのですが、160キロを出す可能性が近づいているなと。彼にはスピードと強さを追求してほしいですし、もっと真っすぐで勝負できるピッチャーになってほしいと思います。それは速い真っすぐを投げられる投手が追い求めていくことでしょうし、5年後、そして30歳になった時も継続できるか......ですね。それが梅野に対する僕の思いで、そこはブレないところです」

 高橋については、「育成計画どおりというか、この2年間、大きなケガをせずにできました。去年は二軍、今年は一軍で100イニング近く投げられることができた。いいペースできていると思います」と満足そうな表情を見せた。

「それに高橋は、投手として大事なカッと熱くなる一面を持っている。まあ、性格は相変わらず甘ちゃんですけど、甘え上手というか、母性本能をくすぐられるタイプなので(苦笑)。でも、全然悪い子じゃないですし、一生懸命練習するし、礼儀もしっかりできています」

 暗中模索の状態が続いている寺島には、「僕たちが期待しているところはすごく高いんです」と話した。

「力を発揮できずにいますよね。いい時の状態を継続できていないというか、ムラが出てしまう。このままではいけないというのは、本人もわかっているはずです。ただ、成長の速度は別として、20歳前後での後退は絶対にいけないことで、それを考えれば徐々にですが上向いています」

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