栗山英樹監督が批判されても清宮幸太郎を起用。その真意、目的とは? (3ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

―― そういう清宮選手に、今は何を求めているんですか。

「人によってやるべきことは違うんです。ある選手には愚直にバットを振り続けることが大事だろうし、別の選手にとっては柔軟性を持っていろんな人にいろんなことを聞きまくって、いろんなところへ行って、いろんなトレーニングをやってみることも大切なのかもしれない。それは何でもいいんです。何でもいいんだけど、大事なのはスイッチが入っているかということ。これだけ打てなかったというのは野球の神様のメッセージでしょ。

 だって、普通にやったらもう少し打てちゃうと思いますよ(苦笑)。でも、普通に打てちゃったら幸太郎もヤバいと思わないし、こんなに打てないからこそ幸太郎も『お前、何やってんの』って言われる。そりゃ、思うでしょ。『野球の神様、優しいなって(笑)』。だって、もうちょっと打ていたら(自分の足りないところに)気づけないもんね。こっちだって『こんな数字の清宮をなぜ使うんだ』ってさんざん批判されたし、でもこのチームが勝つためにはホームランが必要、そのためには幸太郎のホームランが必要、だから起用する。別に、幸太郎を特別扱いしているわけじゃなくて、アイツのポテンシャルに期待しているからこそ、スタメンに名前を書くわけ」

―― 8月13日、右手のケガで登録を抹消された中田翔選手の代わりに、監督はそこまで打率.182、ホームラン3本の清宮選手を4番に指名しました。その意図はどこにあったのでしょう。

「何か感じるだろうってことです。ダメダメな感じも含めて、経験しろということ。4番になればもっと攻め方は厳しくなるし、打てなかったらどれだけチームに迷惑がかかるのかということも感じられる。こっちはスイッチを入れにいっているだけなんです。スイッチさえ入れば、あとはやれるはずですからね」

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