2019.12.07

栗山英樹監督が批判されても清宮幸太郎を
起用。その真意、目的とは?

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

―― 技術的な要素というところで言うと、どのあたりが課題になってくるんですか。

「幸太郎というのは、もともと配球を読んでこのボールを待つ、という打ち方をしないバッターだから、真っすぐも変化球もすべて打とうとしちゃうんです。そうすると初球から思い切り振るということができなくなる。今の力で幸太郎がホームランを打とうと思ったら、追い込まれるまでは配球を読んで、思いっ切り振ったほうがいいでしょ」

―― そうしないのは、清宮選手がすべての球種に対応して、すべてのボールをホームランにする高校時代のようなバッティングをイメージしているからなんですかね。

「もともとそういうバッターですからね。シーズン中、1球目からどうやって待って、どういうふうに打っているのかを書いてもらったりもしたんですけど、幸太郎は配球を読んで打つという感覚は持っていないのかもしれません。でも、相手からすれば怖いのは幸太郎のホームランなわけだし、こっちもそこを期待して送り出しているわけですから、1球目から思いっ切り振れなければ意味がない。そこは幸太郎自身にも納得して取り組んでほしいところなんですけど......幸太郎には幸太郎なりのこだわりがありますから、そこのギャップを埋める作業は難しいですね」

―― 来シーズンに向けて、意識を変えてもらわなくちゃ、ということですか。

「そういうところも、(小笠原道大)ヘッドに来てもらった理由のひとつでもあるんです。本当の技術を持った、超一流の、てっぺんに上った人。そういう確かな技術を持った人にしかわからない心、考え方を幸太郎に授ける。ガッツ(小笠原)の、自らつくり上げた技術と最後までやりきった信念を参考にしてほしいんです。やり方は教えられるけど、やろうという心は教えられない。無理矢理やらせても身につきませんからね」

―― 同い年の村上宗隆選手が今シーズン、すばらしい結果を出したことも清宮選手には刺激になったんでしょうか。

「もちろん、悔しくてしょうがなかったと思うし、超刺激になると思ったけど、元気な身体を使って思いっ切りプレーできければ、それもマイナスになるかもしれません。朝までバットを振りたいと思っても、それができないんですから......