2019.11.22

ホークス指名・柳町達の5位はなぜ。
秋山翔吾に匹敵する外野になれる

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 このトスバッティングでの打ち方が、試合中とまったく同じなのだ。一見、体勢を崩されているように見えるが、じつはしっかりボールをとらえていたのだ。

 それ以上に感心するのが、柳町のスローイングの正確さだ。スローイングの精度というのは、球速と違って数字で表すのが難しいため報じられることは少ないが、スローイングの正確さに関しては、アマチュア球界でナンバーワンと言ってもいい。それほど外野から見事なコントロールでボールが返ってくる。

 インプレー中の外野からの返球精度はもちろんだが、インプレー以外、たとえばシートノックでの返球だって、必ず捕球する相手がタッチしやすい位置にワンバウンドでくる。基礎の基礎ではあるが、実践できる選手はそういるものではない。

 とくに高校生や大学生には、自らの強肩をアピールしたいがために力が入りすぎて大暴投……というのはよくある話である。

 おそらく、同じフォームで、同じ力加減で、同じポイントでボールを離せば、同じところにいくというのを頭も体も理解しているのだろう。そんな基本中の基本を、何気ない1球でも丁寧になぞりながらやっているように見える。

 そうした技術もすばらしいが、相手の捕球しやすいところに投げようとする心がけもきっとあるはずだ。

 今シーズン限りで慶応大の監督を辞める大久保秀昭監督が、以前、こんなことを言っていた。

「一流のプロ野球選手のスローイングって、ストライクばかりですよ。中継プレーにしたって、必ずストライク、ストライクでつないでいる。ウチはそういうプロ野球選手のマネをしている選手たちがほとんどですから。意識と集中力、反復と積み重ね……それしかありません」

 そんな”大久保イズム”の申し子が、満を持してプロの世界に進む。ソフトバンクが指名した時のポジションは内野手になっていたが、今シーズンのようにセンターを守ったら、最低でも10年はレギュラーの心配はいらないだろう。

 ちなみに、私だったら2位で指名して、柳町にプレッシャーをかけていたと思う。それぐらいの逸材である。秋山翔吾に匹敵するか、それ以上の選手になるような気がしてならない。

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