巨人の若手5人がソフトバンクの強さに脱帽。惨敗から何を学んだのか (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 今回、シリーズの全4試合に出場し、第2戦、第3戦はスタメンマスクを被った大城卓三は、ソフトバンクの印象について次のように語った。

「1番から9番まで切れ目がないですし、どのバッターもスイングが速い。少しでも甘いところに入ると確実にとらえてきますし、長打もある。だからといって、コーナーいっぱいを狙ってしまうとピッチャーが苦しくなる。いろんな部分で"圧"を感じました」

 打つほうでは、11打数2安打と結果を残すことはできなかったが、第1戦ではソフトバンクの守護神・森唯斗から本塁打を放った。

「あの打席はうまく打てましたが、ソフトバンクの投手陣はパワーピッチャーが多い。ほとんど150キロを超える投手で、しかもしっかりストライクゾーンに投げてくる。セ・リーグでここまでパワーピッチャーが揃っているチームはないですし、層の厚さ、選手の能力の高さを感じました」

 大城にとって、今回のシリーズで得た経験は何だったのかと聞くと、こんな答えが返ってきた。

「4連勝されて、1勝する難しさをあらためて思い知らされました。緊張感はシーズン中とそれほど変わらなかったのですが、短期決戦ならではの試合運びであったり、そういう部分で相手のペースに乗せられたというか、自分たちの力不足を痛感させられました。ただ、シリーズを経験できたことは次につながるステップというか、つなげていかなきゃいけないので、これからの取り組みに生かしていきたいですね」

 高卒1年目にして、日本シリーズの大舞台を経験したのが、ドラフト6位ルーキーの戸郷翔征(とごう・しょうせい)だ。第3戦で2-2の同点の4回に3番手として登板するも、4失点降板。なかでも戸郷にとって"一流の技"を見せつけられたのが内川だ。松田を三振に打ち取り、続く内川もフルカウントまで追い込んで、勝負球のカットボールを投げ込んだ。真ん中から低めのボールゾーンに沈む、空振りを奪うには理想的なボールだった。しかし、内川はタイミングを外されながらもバットの先で拾い、レフト前に弾き返したのだ。

「自分としては打ち取ったと思ったのですが......引きずらずに投げようと思っていたんですけど、内川さんの1本の印象が大きかった。三振を取れたと思っていたので、あそこで気持ちが落ちてしまったのかなと思います」

 内川のヒットに動揺したのか、その後、2安打2四球と崩れ、さらに自らの失策も絡んで4失点するなど、戸郷にとってはほろ苦い日本シリーズデビューとなった。

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