日本ハムはドラフト3位以降がキモ。注目野手で主力と控えの差を埋める (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 たとえば捕手なら、辻野雄大(たけひろ/ホンダ)が面白い。社会人野球の日本代表にも選ばれたことがあり、実戦経験は豊富。強肩・強打のみならず、俊足も兼ね備えるアスリート型捕手である。攻守において対応力が高く、1年目からレギュラーとしてやっていけるだけの実力を備えている。

 一塁手は中田翔の後釜に清宮が控えるとして、二塁手なら久保皓史(三菱日立パワーシステムズ)を推す。ポカのない安定した守備ワークに、状況に応じたバッティングができる実践力、さらに勝負強さも兼ね備えおり、1年目からレギュラーになっても不思議ではない実力者である。

 三塁手なら柳町達(慶応大)という万能選手がいる。スローイング能力の高さは、アマ球界では間違いなくトップクラス。また、しなやかで瞬発力を秘めたバッティングは、西川遥輝を彷彿とさせる。

 外野手なら、金子莉久(りく/白鴎大)、宮田輝星(福岡大)の快足コンビだ。とにかくスピード感がハンパない。走れる選手が非常に少ないチームの"泣きどころ"にフィットしている。彼らのような選手がいると、作戦の幅は一気に広がり、得点パターンは確実に増えるはずだ。

"スカウティングと育成の日本ハム"というキャッチフレーズでチーム強化にあたってきたが、残念ながら、その成果が反映されているようには見えない。一軍はまだしも、二軍は2年続けてイースタンリーグ最下位で、昨年は首位の巨人に27.5ゲーム差をつけられ、今年も首位・楽天に26ゲーム差。

 ファームに勝敗は関係ないという人もいるが、"勝ちグセ"というのはどのカテゴリーであってもつけておかなくてはならない。

 たとえばソフトバンクは、ウエスタンリーグ優勝を果たし、ファーム選手権でも勝利して日本一を達成した。今年なら、高橋礼、高橋純平、田文丸、周東佑京(しゅうとう・うきょう)を一軍戦力として送り出した。勝ち方を知っている彼らの活躍は、周知のとおりである。

 日本ハムのことだから、少ない戦力でもやりくり上手な栗山英樹監督のもと、なんとか勝負できるチームをつくり上げてくるだろう。とはいえ、一軍で使える選手は多ければ多い方がいいに決まっている。

 はたして、今年はどんな指名をしてくるのか。日本ハムのドラフトは要注目だ。

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