斉藤和巳がパ・リーグCSを予想。西武に「打線は水物」は通用しない (2ページ目)

  • 高橋博之●文 text by Takahashi Hiroyuki
  • photo by Koike Yoshihiro

 パ・リーグ連覇の西武は、言うまでもなく打線のチーム。首位打者の森友哉、本塁打王の山川穂高、今年復活して打点王に輝いた中村剛也、最多安打の秋山翔吾、盗塁王の金子侑司らが居並ぶ打線は超強力で、3点差のリードぐらいだったらないのも同然。警戒しすぎて投手が自滅してしまうような打線です。

その一方で、投手陣は短期決戦の舞台では、まだ物足りません。若い今井達也や高橋光成(こうな)が健闘しましたが、信頼できる投手はニールだけです。それだけにニールで落とすようなことがあれば、西武に焦りが出てくるかもしれません。

 中継ぎ以降ですが、増田達至、平井克典がシーズンを通して頑張りましたが、夏以降は疲れから失点するケースも多く、決して盤石ではありません。なので、ソフトバンク、楽天のどちらが勝ち進んでもチャンスはあると思います。

 西武のキーマンには、森を挙げます。今年初めてシーズンを通して捕手で出場しましたが、まだ経験を積んでいる段階であるのは間違いありません。この短期決戦をどう考えて、どうリードしていくのか。真価が問われることになりそうです。

 打線の破壊力では西武が圧倒的ですが、バッテリーを含めたディフェンス力を考えれば、ソフトバンクの方がトータル的に強いでしょう。とはいえ、西武は去年、CSファイナルでソフトバンクに敗れて悔しい思いをしました。今年は期する思いもあるでしょうし、なにより12球団でダントツの得点力(756点/2位の巨人は663点)を誇る西武打線を日本シリーズで見てみたいというのが本音です。「打線は水物」と言われますが、そんな言葉も通用しないぐらいの破壊力を見せてくれるんじゃないかと期待しています。

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