2019.10.04

井端弘和のセ・リーグCS展望。
巨人に大胆起用の可能性「菅野は…」

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

――ここまで聞くと少し阪神に分がありそうですが、阪神が勝ち上がった場合、巨人とのファイナルステージはどのような戦いになりそうでしょうか。

「”守”の阪神、”打”の巨人という構図になるでしょうね。坂本(勇人)と丸(佳浩)のコンビはもちろん、下位打線や控えにも長打がある打者が揃っていて、シーズン中も対阪神戦のチーム打率は2割5分を超えている。ビハインドの展開になっても、阪神のリリーフ陣相手に連打での得点は難しいでしょうが、一発で試合をひっくり返す力があると思います。

 阪神が上がってきたら、CS進出決定からの勢いがさらに増すでしょうけど、巨人も阿部(慎之助)が引退を表明したことでチームのボルテージはかなり上がっているはずです。常に『日本一』を意識してきた大黒柱ですし、阿部はそれだけの影響力がある選手ですからね」

――対して先発陣は、最多勝など”投手三冠”に輝いた山口俊投手は信頼度が高い一方、腰痛に苦しんだ菅野智之投手の状態が気になるところです。

「これは私個人の考えですが、先発ではなく、リリーフとして起用する可能性があるんじゃないかと見ています。さすがに抑えにすることはないでしょうが、今シーズンの大竹(寛)のように、試合の終盤を任せることは十分に考えられるかと。一部では『CS戦力外』という噂もされていますけど、そこまで重症であれば、そもそもピッチング練習はさせないはず。出場するとなったら相手にとって脅威になることは間違いありません」

――井端さんは現役時代に巨人とCSを戦った経験がありますが、そこで巨人の強さを感じた点はありますか?

「2010年前後に、野間口(貴彦)と福田(聡志)という強力なロングリリーフが厄介だったことはよく覚えています。普通であれば、先発ピッチャーを攻略したらチームが勢いづくんですけど、彼らにそれを止められて逆転されることも多かった。とくに巨人が日本一になった2012年は、福田はリリーフなのに8勝(1敗、17ホールド)を挙げていましたし、中日とのCSファイナルステージでも大事な場面で好投しました。

 今回のCSでもそんな投手がいたらより勝利が近づきますが、今季途中にトレードで入団した鍵谷(陽平/元日本ハム)、古川(侑利/元楽天)あたりが、その役割を果たせるのか。あとは、シーズン終盤に一軍デビューした、高卒ルーキーの戸郷(翔征)の起用もあるかもしれませんね。ダイナミックなフォームからの速くキレがいいストレートが魅力なので、CSでも登板があったら臆せずに投げてもらいたいです」

――巨人はいい状態でファイナルステージを迎えられそうですね。

「そうかもしれませんけど、相手を『待ち構える』気持ちでいたら危ないですよ。1勝のアドバンテージはありますが、初戦を落としたら雰囲気はガラっと変わってしまう。もちろん原(辰徳)監督も選手たちも心得ているでしょうが、挑戦者の気持ちで試合に臨む必要があります。DeNA、もしくは阪神がそれを上回るためにどんな戦いをするのか、注目したいと思います」

(第10回につづく)

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