2019.09.26

阪神ドラフトは投手より野手。
長距離砲×2指名なら会場はドッと沸く

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 その石川だが、バッティングは高校生レベルでは群を抜いている。以前は引っ張る方向(レフト方向)にしか強い打球が飛ばなかったが、逆方向にも力強く打てるようになり、タイミングを外されてもしぶとくヒットにできる技まで身につけている。長距離砲がなりふり構わずボールに食らいつけるようになったら怖い。思い切って起用すれば、それなりの数字を残せる選手だと思っている。

 2位はパナソニックの大砲・片山勢三で、もうワンプッシュだ。この片山も、主なポジションは一塁と三塁で、もろにポジションは被るが、その場合は誰かを外野に回せばいい。

 片山のすばらしいところは、ボールに角度がつくこと。この技術は、教えてもなかなか身につくものではない。つまり、片山はホームランアーチストの資質を持っているのだ。順調に成長してくれれば、山川穂高(西武)のような人気者になることは間違いない。

 甲子園球場はライトからレフトに吹く浜風が特徴で、これまで多くの右打者が恩恵を受けてきた。だからこそ、大山、石川、片山の右の和製大砲が揃えば、3人で100発も夢じゃない。

 本当ならもうひとりぐらい大砲がほしいところだが、さすがにもう人材はいない。そこで今度は投手だ。3位で地元・大商大のエース・大西広樹の獲得を目指したい。

 ピンチに強く、どっしり粘れて、自分の投球というものを確立している。このように欠点のない投手には”働き場”がある。今の阪神に見当たらないタイプだ。

 2005年以来、優勝から遠ざかっている阪神。チームを劇的に変えるには、フルモデルチェンジするぐらいの気概が必要ではないだろうか。そのキーワードが”右の長距離砲”だ。はたして、今年はどんなドラフトを展開してくれるのか、楽しみでならない。

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