「けっこう恥ずかしい」雄平語録。
コロコロ変わる打撃の形は探求心の証

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 山田に「雄平選手がフォームをマネしていることを知っていますか」と聞くと、笑顔でこう答えた。

「気づくもなにも、雄平さん、自分からそのことを言ってきますから。雄平さんはフォームをコロコロ変えるタイプなので、何も思わないです」

 そして山田に、雄平がそのフォームを続けていくと決意したことを伝えたが、「いや、絶対に変えますよ(笑)」と即答した。

 この一連のやりとりを雄平に伝えた。

「哲人は僕の性格をよくわかっている。実際、今から変える(笑)。でも、みんな、雄平がまたフォームを変えたと笑うけど、先程も話したように根拠はあるんですよ。今回は足の上げ方を変えるだけで、根本的な部分は哲人の打ち方を続けたいですね」

 そう話すと、雄平は足を低く上げるフォームで、マシン相手に打ち込んだ。

「足を低く上げた方が、今の状態にアジャストできる。この2日間の休みで元気になれば、また足を高く上げるかもしれないけど、まずはこれでいこうと思います」

 最後に「毎日バットを振って飽きないですか」と聞くと、雄平は「飽きないです」と即答し、こう答えた。

「自分としてはもっと打てる自信があるし、もっと新しいものを見つけたいという気持ちもあるので......。たとえば、バットをしならせるにしても、練習でさえ理想どおりにいかない。やることがたくさんあるんです」

 クラブハウスに戻る道で、「今日はこれから何をしようかなぁ......」と雄平がつぶやいた。早く家に帰ったところで、バッティングのことを考えるのだろうと思ってしまった。24時間、バッティングのことを考えられる男、それが雄平なのである。

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